生後0~1ヶ月 赤ちゃんの成長

産前・産後

 体 :この頃の赤ちゃんは、眠りが浅いため、昼夜の区別なく2~3時間おきに目を覚まし、
おっぱいやミルクを飲んでまた眠るを繰り返します。
飲み方が下手で、ママの母乳の出も少ないため、授乳間隔は不規則になりがち。
中にはおっぱいやミルクのあとすぐに起きる赤ちゃんもいるので、
しょっちゅう泣いていると感じることも多いようです。

また、体重は、多くの赤ちゃんが生後1週間くらいまでに一時的ですが、
出生時より体重が減ります。これは病気ではなく
その理由は、飲む量より、排便やおしっこなどの排せつの量が多いためであり、
生後7~10日程度で再び増加していきます。

生まれたばかりの赤ちゃんは脳の機能も未熟です。
そのため、手のひらを触ると指を握る、口に触れたものを、吸おうとする。
といったある刺激に対して無意識に反応する「原始反射」が見られます。
生後4~5ヶ月ごろには、原始反射は次第に無くなってきます。

肌は、一時的に黄色みを帯びる新生児黄疸が見られることがありますが、
これも1週間程度で自然に消失します。

新生児黄疸とは・・・血液中のビリルビンという色素の処理能力が未熟なために
黄疸となりますが、徐々に良くなります。

また、母乳の赤ちゃんは2ヶ月くらいまで黄疸が長引くことがあり、
それを母乳性黄疸と言います。

 心 :空腹時や暑い・寒い、または、おむつが濡れて気持ちが悪いなどの不快と感じる時は、
すべて泣くことで表現します。
赤ちゃんは泣くことでしか自分の要求を訴えることができません。
一方で、要求が満たされると快と感じ、泣くのをやめます。
快や不快の感覚は、はっきりしています。

授乳やおむつを交換しているうちに、赤ちゃんはママが不快を
取り除いてくれる人だと、わかるようになっていきます。
時折ほほ笑んでいるように見えますがこれは「新生児微笑」と呼ばれる現象です。


生後1ヶ月までを新生児といいます

生まれて約1ヶ月間(生後28日未満)の赤ちゃんを新生児と呼びます。
おなかの中にいたときには胎盤を通して酸素や栄養をもらっていましたが、
出生後は自分の肺で呼吸し、おっぱいやミルクを飲むことで
直接栄養を取り込むようになります。
このように環境に適応しながら新生児は日々成長していきますが、
体の機能や運動神経などは未発達です。

 目 :30㎝先がぼんやり見える程度です
視力は0.01~0.05くらいで目の前から30㎝先にあるものがぼんやり見える程度です。
赤や黒など、はっきりした色のものが認識しやすく、
光を感じて明るいほうを向くことがあります。
光には妊娠24週ごろから反応します。生後1週目ごろは約30㎝先のところで焦点が合いますが
ママの顔や縦じま模様などにも反応するので焦点が合わなくても
まったく見えないわけではありません。

 鼻 :白いぶつぶつは皮脂腺が透けるため
新生児期に鼻の頭に白いぶつぶつができている赤ちゃんがいますが、
これは皮膚が薄くて鼻の皮脂腺が透けて見えるため。
生後1ヶ月半ごろには目立たなくなってきます。
生後すぐから発達し、おっぱいのにおいをかぎ分けることもできます。
体に害のあるものや危険なものを予知する能力が備わっている証拠として、
好ましくないにおいには顔をしかめたりすることがあります。

おなか:へその緒は乾燥して自然に取れます
生まれてすぐへその緒がついたままで、おへそがジュクジュクしています。
ジュクジュクしているときは、沐浴後にケアをしましょう。
生後5~10日で乾燥し、自然に取れます。

体温:約37度とやや高めで調節機能が未熟
新陳代謝が活発なため、約37度前後とやや高めです。
ただし、体温調節機能が未熟なため、部屋の温度に左右されやすく、
夏は高めで冬は低めになりやすい傾向にあります。

 口 :吸てつ反射によって授乳が可能に
口に触れたものを吸う吸てつ反射により、おっぱいやミルクを飲むことができます。
産後3~5日までに出る初乳は免疫物質を豊富に含んでいるため飲ませてあげましょう。
妊娠7週目ぐらいから、舌に味を感知するための味蕾ができます。
生まれたばかりのころは甘い、苦いの区別がつき、母乳やミルクなどの甘いもの好きで
体に害のある場合が多い苦い味は受け付けません。

耳 :モロー反射が見られます
原始反射の一つ、大きな音にビクッとして両手を広げるモロー反射が
見られることもあります。また、新生児は産毛が濃く、
耳や背中にたくさん生えていることがあります。
妊娠20週ごろからママやパパの声や心臓の音が聞こえるようになります。
また、新生児の耳は敏感で、英語のLとRの音を聞き分けるなど、
大人より優れた聴覚を持っているという報告もあります。

頭:骨と骨が合わさってできています
新生児は約4頭身。頭は複数の骨が合わさってできていて、
骨と骨の間にすき間があり、やわらかくペコペコへこみます。
すき間は1歳半ごろまでに自然に閉じていきます。

手・指:いつも手を握っている状態です
つめは生まれた時から生えており、手を握っていることのほうが多いですが、
ママの指など細いものが手のひらに触れるとつかむようにする把握反射が見られます。
周囲の温度変化を感じ取り、寒い・暑いがわかります。
また、痛さや痒さも感じられます。
皮膚感覚が育ってくるにつれ、スキンシップのぬくもりややわらかさから
心地よさや安心感を覚えるようになります。

背中・おしり:蒙古斑が見られることもあります
背中全体に産毛が生えていることがありますが、2~3ヶ月できれいになります。
おしりから背中に青いあざの蒙古斑が見られることもありますが、
成長とともに自然に消えていきます。

腕・足:腕をW字、足をM字が基本姿勢です
3~4ヶ月ごろまでは伸ばす筋肉より曲げる筋肉のほうが強いため、
腕をW字、足をM字にした姿勢をとっています。
足を床につけると歩く動作をする原始歩行も見られます。


生活リズム:新生児期は、おっぱいを飲んでは眠る。の繰り返しです。
出来る限り、赤ちゃんのペースに合わせましょう。
泣いて訴える赤ちゃんが、何を求めているかを感じ取り応じてあげることが大切。
おなかがすいた。おむつが濡れて気持ちが悪い。など不快なことがあると、
赤ちゃんは泣いて訴えます。
泣かれるとママやパパは不安や戸惑いを感じるかもしれませんが、
赤ちゃんは泣くことで意思表示をしています。
何を求めているかを考え、応じてあげましょう。
また、この頃の赤ちゃんは、おしっこは1日10回前後。うんちは1-8回と多いです。
おむつかぶれの予防のため、小まめにおむつをチェックしてね。

飲む・食べる:母乳で育てる場合、初めはママのおっぱいの出も良くなく、
また生後間もない赤ちゃんは、胃の容量もとても小さいので、
一度にたくさん飲めません。まだ、赤ちゃんもリズムが出来てないので、
飲んでいる途中で満足して眠ってしまうこともあります。
授乳のリズムができるまで、赤ちゃんが求めるだけ、頻回に授乳しましょう。
授乳の間隔を気にせず、欲しがったら授乳しましょう。
ミルクで育てる場合も、一度にたくさん飲めないのは同じです。
赤ちゃんが欲しがったら、ミルクのパッケージに記載された量を目安に飲ませてあげて下さい。