はじめてのおっぱいのあげかた

産後

母乳はママの血液を原料としていて、
赤ちゃんにとって必要なタンパク質や脂質、乳糖、ビタミンなどの栄養素や
病気になりにくくする免疫物質が多く含まれています。

特に産後1週間くらいの間に出る「初乳」には
ウイルスや細菌を防ぐ働きをする「免疫グロブリンA (IgA)」や「ラクトフェリン」などの
免疫物質が多く含まれています。

産後すぐは、ママの母乳の出が少なめで赤ちゃんも上手に飲むことができないことがよくあります。
母乳は吸われることで分泌が促されますので、
産後1ヵ月くらいは泣いたり欲しがっていたりしたらあげましょう。
ミルクを足さずに赤ちゃんに吸わせ続けることが大切です。
生後数ヵ月は母乳の量を心配すぎる必要はありません。
健診時に体重をチェックしてもらい、
増えていなければ産院の助産師や母乳外来の窓口などに相談してもいいでしょう。

ママの体に密着し授乳すると、“幸せホルモン”と呼ばれる「オキシトシン」が分泌されます。
ママは精神的に満たされた気分になり、
赤ちゃんはママのぬくもりを全身で感じ、精神的に安定します。

・産後1ヵ月くらいまでは、赤ちゃんが欲しがるたびにおっぱいをあげよう。
・最初は母乳の量を気にせず、赤ちゃんに吸わせ続けよう。
・母乳がうまく吸えず赤ちゃんの体重が増えなければ、助産師や母乳外来に相談しよう。

~母乳の与え方~

1.赤ちゃんを楽な姿勢で抱っこします。

横抱き
 赤ちゃんを横にして、ママと密着するように抱きかかえます。
縦抱き
 ママと赤ちゃんが向き合うスタイル。小さめの乳首や陥没乳頭のママにおすすめ!
ラグビー抱き
 ラグビーボールを抱えるように赤ちゃんを脇で支えるスタイル。
 乳房の外側が張っているときや、乳房の大きなママにおすすめ!
添い乳
 赤ちゃんとママが向かい合って横になるスタイル。
 起き上がる必要がないので、夜間の授乳におすすめ!

乳腺は放射状に広がっているため、いつも同じ姿勢で授乳をしていると、
飲み残しの部分がしこりとなり、乳腺炎の原因にもなります。
ママの楽な姿勢で、バランスよくおっぱいをいろいろな方向から飲ませましょう。

2.乳輪まで深くくわえさせます

赤ちゃんが乳首だけでなく、おっぱい全体をしっかり加えさせます。
赤ちゃんの唇に乳首を触れさせると、吸啜反射で自然と口を開きます。

痛みを感じたり、強く引っ張られている感じがしたときは
赤ちゃんがおっぱいを正しくくわえられていない可能性があります。
赤ちゃんの口にママの指を入れると、赤ちゃんを乳首から離せますので、もう1度くわえ直させてみましょう。

授乳をするときは、赤ちゃんがおっぱい全体をくわえてきちんと飲めているかを確認しましょう。
また、両方のおっぱいから同じくらいの量が出るのが望ましい為、左右均等に吸わせます。
母乳は両方の乳房から同じくらいの量が出るのが望ましいため、毎回、左右均等に吸わせます。
おっぱいを替えるタイミングは、片方5~10分程度を目安にしましょう。

3.赤ちゃんが満足したらゲップをさせます

母乳を飲んだ後そのまま寝かせてしまうと、母乳が逆流し吐き戻しが起こる可能性があります。
吐き戻しの母乳がのどに詰まってしまうこともあるので、授乳後はゲップをさせましょう。

ゲップをさせる方法は、赤ちゃんの後頭部を支えて、ママの肩まで抱き上げて縦抱きにします。
赤ちゃんの背中を下から上にさすったり、やさしくトントンするとゲップが出やすいです。

5分くらい背中をさすってもゲップが出なければ、赤ちゃんの顔や身体を横向きにして寝かせると、
体勢が変わり、ゲップが出る場合もあります。